1997年生 ● 葛飾シューレ ● 馬の学校生 ● 不登校=小4(さみだれ)〜 ● シューレ在籍=中1〜中3
葛飾中学校で3年間過ごし、ずっと大好きだった馬の世話を学ぶ寮制の学校に進学したY.K君です。茨城県の田畑を抜け、馬の牧場が集まる学校におじゃまして、お話をうかがいました。
修学旅行はインパクトがあった
シューレに入る前、小4ぐらいから偏頭痛がきつくなって週1〜2ぐらい登校する感じでした。で、小6の時に、母親が葛飾中学校を見つけてきて、見学に行ってみたら、先生というかスタッフが親しみやすいな、と感じました。自分の小学校は、人間としてどうかな、と思うようなコワい先生もいて、よけいにそう思ったのかも。「あ、ここいいな、楽しいな」と思ったのと、地元の中学校には行きたくないな、と思ったので、葛飾中学校に入ることにしました。
中学校の生活でいちばんインパクトがあったのは、1年生の時の岩手県への修学旅行でした。のんびりしたところで、ガヤガヤしていなくて、印象に残っています。ほかに、プロジェクトとか、授業とか、それ活とか、とにかくスポーツをやりまくってました。1年から入ったので年齢が上の人や同世代とも友だちもできて、途中人と関わるのがめんどくさくなったときもあったけど、卒業した今も、ときどきやりとりしたり遊んだりしています。
今思うと、シューレの中学は自分と同じ境遇の人もいて、いろんな体験ができたのは貴重だったんじゃないかな、と思います。中学校に入って、頭痛にもそんなに悩まなくなりました。
今の道に進もうと思った経緯としては、競馬のゲームがずっと好きで、馬の生活が気になっていたんです。シューレのしごと体験でも動物園に行かせてもらいました。当時は面白かったですけど、今行くと物足りなくてつまらないかな(笑)。それで親と進路のことを話すときに、「ふつう」の高校よりも、自分のやりたい仕事につながることをやれば、という話になって、今の学校を見つけたんです。中3のゴールデンウィークの時に2泊3日で体験に行って、楽しかったので、この学校に行こう、と思いました。あまり早起きに慣れていなかったけど、不思議と楽しかったです。
馬との生活
今の生活は、6時半に起きます。起きたら厩舎に行って、まず担当の馬の馬房で水桶、飼い桶、ボロとかを片付けたりします。当番で、5時半起きになるときもあります。朝飯前に1時間ぐらいの仕事をしてから、寮で朝食をとります。9時半ぐらいから午前中はだいたい馬に乗っています。それで午後は馬の手入れ。寮の夕食は早くて5時なんです。そのあと部屋に戻りますが、夜食がないと、もたない。9時半に点呼があって、だいたい早く寝ちゃいます。牧場での研修なんかもあります。
ここでの生活は、もちろん馬との生活も楽しいし、学校で犬を飼っていて、じゃれ合うと癒やされます。自転車で隣町まで買い物とかゲーセンに行ったりもしてますよ。
自分は3年め、最高学年ということで、後輩の世話とか寮長とかもやらされています(笑)。ここは1年間のコースとかもあるんですが、年上の人もいて、でもここでは年齢や学歴より「馬歴」。でも、人間関係は大変だな、と思います。正直、馬よりめんどくさいな、って(笑)。
人生をムダにしない生き方
今後はいろんな道があるんですが、競走馬に関わりたいな、と思っています。トレーニングセンター(トレセン)の厩務員っていうのがあるんですが、偏差値が高いというか、勉強もしなきゃ行けないし、実技も大変で、結構エリートコースだったりするんです。他にも乗馬のインストラクターとか牧場とか、もうちょっと時間かけて、見つけていこうかな、と思います。
自分が大事だと思うこと……? そう、「人生をムダにしない」ってことかなと思います。他の人と同じことをするより、楽しいことをする方が意味をもっていると思っています。それが「人として育つ」ってことかな。