1995年生 ● 王子シューレ ● 専門学校生 ● 不登校=高1〜 ● シューレ在籍=17歳〜19歳
行きたくないところに行っても 意味はない
はっきりと学校に行かなくなったのは、高校1年生の冬だったと思う。
きっかけは、高校受験の時に一生懸命勉強した結果、新入生代表のあいさつを頼まれるなどして、周囲からの期待がとても高かったことがストレスだったということもある。
あの頃は、バンドしか自分にはなかった。クラスに友達がいるわけでもなかったし。冬休み明けにぱったり行かなくなった。とにかく、学校に行きたくないという気持ちが一番だった。
親との間で「行く」「行かない」のやりとりはあったけれど、義務教育段階ではないから、高認や他の高校などの選択肢も知っていたし、「行かなくてもいい」という思いはあった。
そんな時、親の転勤で東京に引っ越すことになり、転校先を探すこととなった。通信制などいろいろな所に行ってみて、その中にシューレがあった。シューレに決めた理由は、他の通信制高校は、白っぽくていかにもキレイな感じだったけど、シューレはいい意味で、人も物もごちゃごちゃしていたということかな。それから高校受験をするときに通っていた塾が、とても楽しくて気に入っていたのだけれど、そこの雰囲気に似ていたということもある。
クリエイトすることの楽しさに出会う
シューレ在籍中に一番印象に残っていることは、友人との「歩き旅」。赤羽から葛西臨海公園まで嵐の中を歩いた。シューレのことや最近あった面白いことなどを話しながら、とにかく歩き続けるんだけど、終わってみるとなぞの達成感に満ちあふれていた。
朝日を見るために、横浜の桜木町から江の島まで歩いたことも印象に残っている。それから僕は、高校コース(シューレ内の高校プログラム)を選択していたんだけど、フリースクールをベースに活動していたから、「高校」であることを強く意識することはなかった。一つあげると、北海道での本校スクーリングはとても楽しかった。いろいろな活動ができて、好きな写真をたくさん撮ることができた。
写真・映像との出会い
シューレではいろいろな事を経験したけれど、今やっている写真・映像との出会いは、シューレに入ってからやりたいと思ったことだ。最初は自分で撮ったりしていたけれど、自主制作映画「不登校なう」の上映会や大阪で開催された全国子ども交流合宿の記録係なども頼まれるようになった。
また、30周年祭を記念して企画された東京シューレロゴマークに自分の作品を応募し、選ばれたこともとても嬉しかった。まずはバーっとデザインを出して、その中からどれが一番シューレにしっくりくるかを考えた。最終的にロゴのテーマとシューレの理念がぴったり合う作品をつくることができた。
将来自分がどのように生きていくか、いろいろやりたい事があってとても悩んでいたことがあったが、日常的にそういうことをしていくことがどんどん楽しくなっていって、仕事としてもそれにつながることをやってみたいという気持ちになり、クリエーターを目指すことになった。
人は、いろいろな経験をしていくなかで変化していくと思った。
新たな道へ
2015年の4月から、より専門的な事を学ぶために学校法人・専門学校HAL東京の、CG学部CG映像学科に入学した。朝起きるのが大変だけど、ここではコンテストなどがいっぱいあるから、どんどんチャレンジしていきたいと思っている。何より、自分が学びたいと思うことを学べることが楽しい。
今の課題は、とにかく勉強して、卒業して就職すること。そして、自分が好きなことを仕事にしてお金をもらって生きていくことができたらいい。欲を言えば、自分の分野で有名になりたい。
その中で、一番大切にしたいことは、「自分が今どうするか、何をするか」ということだ。